沖縄こども保育園
沖縄こども専門学校
沖縄ブライダル&ホテル観光専門学校

那覇市が保育所入所待機児童の解消を目的に売却した幼稚園跡地に建つ、保育所と専門学校のコンプレックスです。敷地は海辺から1 km程、那覇の旧市街地と新市街地の境に位置し、北西道向かいには幼稚園を併設した小学校、南東には既存公園が隣接しています。この小学校と既存公園を繋ぎ一体となる文京エリアとしての街区形成を目指すとともに、亜熱帯気候の市街地においての放射を考慮し温熱光環境を整えた、経済効率が強く求められる中高層建築物の提案です。
公園の中に建つ校舎をコンセプトに、敷地四周に公開空地を設け、既存公園の街路間の通り抜け動線を新設し、外構の床仕上げを既存公園からグラデーションに変化させることにより、既存公園と一体化を図りました。建物の外形は多角柱とし、外壁が大きな面で周囲と対峙せぬよう壁面を分節。各外壁面は敷地境界線に対し平行なものと角度を持つものとで構成し、平行な壁面は周辺建物との調和をつくり、角度を持った壁面は、斜めに構えることによって周辺と対峙せず、滑らかな視線の移行をつくりだし、建物からなる周囲への圧迫感を抑制しています。さらに外壁の出隅を曲面にして壁面端部の影を曖昧にすることで、エッジの認識が甘くなる効果を利用し、量感を抑えています。
建物の基本構成は、PRC造の躯体に外断熱とし、開口部には庇とエキスパンドメタルの日除けルーバーを設け日射熱取得を抑制しつつ、熱をある程度ふるい落とした散乱光を室内に取り込み、放射及び光環境を整えています。また、PRC造はコンクリートのクラックを防止し、外断熱は躯体を保護し、躯体を塩害から守り耐久性を向上させています。基準階の基本構成は、PRC造とすることにより実現した、3本のポスト柱のみのフリープランで、将来のプラン変更にも容易に対応できるものとしています。
この場所が、園児や児童、その様子を見守る家族、学生、泊北公園にお参りするお年寄りなどの憩いの場と時間をつくり、末長く、多世代のコミュニケーションの場として機能し、子供達の記憶に残る場となることを願っています。

沖縄こども保育園
沖縄こども専門学校
沖縄ブライダル&ホテル観光専門学校

  • 所在地 沖縄県那覇市泊
  • 構造設計 (株)JSD
  • 設備設計 長沼環境計画
  • 施工 清水建設(株)
  • 主要用途 保育所・専修学校
  • 敷地面積 999.41m
  • 建築面積 333.83m
  • 延床面積 2865.61m
  • 構造 プレストレスト鉄筋コンクリート造
  • 規模 地上9階
  • 竣工 2017年2月
  • 写真 井上 登

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