旧星野邸 平成の大改修
建築主、星野勇三氏により昭和7年(1932年)竣工した、亜鉛鉄板葺木造2階建ての住宅です。北面主玄関より西側の昭和50年(1975年)に改修されたものを、現所有者が買い取り、平成23年(2011年)にあらためて住宅として大改修を行いました。
北海道帝国大学名誉教授の星野勇三氏(1875-1964)は、北海道の果樹産業に貢献するとともに、日本にメンデルの法則を紹介した人として知られ、我が国の園芸学の草分け的存在です。また、札幌市大通公園の花壇の創始者であり、出身地山形県の日和山公園の設計者でもあります。
現所有者が買い受けられた時点で、主玄関から東側は創建当時の姿をほぼとどめており、時を経た価値を持つ空間が残されていました。本改修工事はこの空間の魅力を残し、引き立てるとともに、建物全体の構造補強、断熱改修を行い、昭和50年に改修された主玄関から西側の部分は、現代の北海道の暮らしに合わせたプランに変更しています。暖房は地中熱ヒートポンプを熱源とした低温水式床下暖房と暖炉の併用とし、放射を利用することにより、時を経た空間を維持しつつ、現代の最新住宅を超える快適な温熱環境が実現されています。
貴重な歴史的地域資産を現所有者が受け継ぎ生かしてくださったことに、あらためて敬意をこめて感謝いたします。
北海道帝国大学名誉教授の星野勇三氏(1875-1964)は、北海道の果樹産業に貢献するとともに、日本にメンデルの法則を紹介した人として知られ、我が国の園芸学の草分け的存在です。また、札幌市大通公園の花壇の創始者であり、出身地山形県の日和山公園の設計者でもあります。
現所有者が買い受けられた時点で、主玄関から東側は創建当時の姿をほぼとどめており、時を経た価値を持つ空間が残されていました。本改修工事はこの空間の魅力を残し、引き立てるとともに、建物全体の構造補強、断熱改修を行い、昭和50年に改修された主玄関から西側の部分は、現代の北海道の暮らしに合わせたプランに変更しています。暖房は地中熱ヒートポンプを熱源とした低温水式床下暖房と暖炉の併用とし、放射を利用することにより、時を経た空間を維持しつつ、現代の最新住宅を超える快適な温熱環境が実現されています。
貴重な歴史的地域資産を現所有者が受け継ぎ生かしてくださったことに、あらためて敬意をこめて感謝いたします。
参考文献:『札幌景観資産「星野邸」資料保存調査報告書』
平成23年3月 北海道大学大学院工学研究院
建築史意匠学研究室
平成23年3月 北海道大学大学院工学研究院
建築史意匠学研究室