実晴耕雨読の家
敷地は東京のベッドタウン、近くには田畑や里山も残っている住宅街に位置し、面積は77坪。「やっぱり畑!!晴れの日は畑!雨の日は読書!悠々自適とはいかないけれど。」と建築主は家庭菜園を楽しみたいとのご希望で首都圏にしては広めの土地を購入されました。「道産子の私たちにとっては、こちらの家は寒くて・・・暖かい家が欲しい!」と奥様。家の中でも子どもたちが走り回れたり、壁に多少落書きをしても怒らないですめばと、育ち盛りのお子様にはのびのび育って欲しいとのことでした。
まず、建物の配置を検討します。予算から建てられる床の広さは限られます。最初に、建築コストが安価となる建物形状として「総二階建て」での検討です。庭のスペースは大きくとれるのですが、駐車場、将来建つであろう隣家との関係、日当りなどを考慮すると、実は菜園にできるスペースはあまり大きくとれないことが解りました。また「総二階建て」では、室内を走り回るには各フロアが狭すぎます。階段のスペースももったいない。そこで、少し贅沢をして平屋です。菜園を中心に敷地をすみずみまで活用できる配置を検討し、最終的に至ったのがクランク型の配置でした。
菜園の真ん中にダイニングキッチンを設け、菜園で採れたものをそのままスグ料理。菜園のなかでテーブルを広げての食事です。これを中心に、プライベート空間を配した南北の棟がつながります。
内部は、各室がゆるやかに繋がり、プライベートは確保しながら、どこにいても家族の気配が感じられる、そんな大きなワンルームとも言える構成となっています。
内装は白と杉の木でシンプルに統一。これまでの建築主ご家族の生活を、そのまま新居に持ち込んでも違和感の無いよう配慮した結果です。天井の傾斜が、統一された空間になだらかな抑揚をあたえ、空間を個性づけます。抽象的な白の壁や天井にアクセントとして表れる杉の柱。白く塗られた壁と天井は、室内にひかりを拡散させ、陰影を素直に映し出し、杉の床や柱を浮かびあがらせます。一見木目が少し荒めの個性的な杉の床は、素材感をそのまま残した仕上げとし、使い込むほどに味が出てきます。
断熱をしっかり施した「暖かい家」といっても、これだけでは片手落ちです。お住まいは夏も涼しい北海道ではありません。道産子は暑さに弱いのでは?建築主はエアコンも苦手とのことです。
界隈ではひときわ目立つ屋根まで真っ白の外観、ご近所のお子さまたちは「ホワイトハウス」と呼んでいるそうです。外観は白!表面温度は、白と黒では10℃以上、条件によっては数十℃も違います。これは夏の暑い陽射しを溜め込まないための配慮のひとつです。
ダイニングキッチンの東西に設けられた菜園をつなぐ大きな連続窓には、ともに庇が設けられています。この庇が濡れ縁をつくり、屋内外の緩衝空間となって、雨の日にも窓を開放でき風をはこび、夏は庇の軒先にすだれを垂らし横からの日射を遮蔽するとともに、軒先まで室内空間にとりこみます。これらの屋内外を繋ぐ仕掛けが、季節による日射調整の役割を果たしながら、室内に実際以上の広がりをもたらしています。ロフト部や高天井部に設けられた高窓は、上部に溜まった熱い空気を排出し、室内にさわやかな空気の流れをつくり出します。
ご入居後一年目の検査の際に、「昨夏、エアコンを使ったのは僅か1日だけでした」とお聞きし、ひと安心。ご入居後すぐに始められた家庭菜園も着々と拡大されているご様子です。
「冬、暖かい家」は、「夏は涼しい家」としても、うまく機能しているようです。
まず、建物の配置を検討します。予算から建てられる床の広さは限られます。最初に、建築コストが安価となる建物形状として「総二階建て」での検討です。庭のスペースは大きくとれるのですが、駐車場、将来建つであろう隣家との関係、日当りなどを考慮すると、実は菜園にできるスペースはあまり大きくとれないことが解りました。また「総二階建て」では、室内を走り回るには各フロアが狭すぎます。階段のスペースももったいない。そこで、少し贅沢をして平屋です。菜園を中心に敷地をすみずみまで活用できる配置を検討し、最終的に至ったのがクランク型の配置でした。
菜園の真ん中にダイニングキッチンを設け、菜園で採れたものをそのままスグ料理。菜園のなかでテーブルを広げての食事です。これを中心に、プライベート空間を配した南北の棟がつながります。
内部は、各室がゆるやかに繋がり、プライベートは確保しながら、どこにいても家族の気配が感じられる、そんな大きなワンルームとも言える構成となっています。
内装は白と杉の木でシンプルに統一。これまでの建築主ご家族の生活を、そのまま新居に持ち込んでも違和感の無いよう配慮した結果です。天井の傾斜が、統一された空間になだらかな抑揚をあたえ、空間を個性づけます。抽象的な白の壁や天井にアクセントとして表れる杉の柱。白く塗られた壁と天井は、室内にひかりを拡散させ、陰影を素直に映し出し、杉の床や柱を浮かびあがらせます。一見木目が少し荒めの個性的な杉の床は、素材感をそのまま残した仕上げとし、使い込むほどに味が出てきます。
断熱をしっかり施した「暖かい家」といっても、これだけでは片手落ちです。お住まいは夏も涼しい北海道ではありません。道産子は暑さに弱いのでは?建築主はエアコンも苦手とのことです。
界隈ではひときわ目立つ屋根まで真っ白の外観、ご近所のお子さまたちは「ホワイトハウス」と呼んでいるそうです。外観は白!表面温度は、白と黒では10℃以上、条件によっては数十℃も違います。これは夏の暑い陽射しを溜め込まないための配慮のひとつです。
ダイニングキッチンの東西に設けられた菜園をつなぐ大きな連続窓には、ともに庇が設けられています。この庇が濡れ縁をつくり、屋内外の緩衝空間となって、雨の日にも窓を開放でき風をはこび、夏は庇の軒先にすだれを垂らし横からの日射を遮蔽するとともに、軒先まで室内空間にとりこみます。これらの屋内外を繋ぐ仕掛けが、季節による日射調整の役割を果たしながら、室内に実際以上の広がりをもたらしています。ロフト部や高天井部に設けられた高窓は、上部に溜まった熱い空気を排出し、室内にさわやかな空気の流れをつくり出します。
ご入居後一年目の検査の際に、「昨夏、エアコンを使ったのは僅か1日だけでした」とお聞きし、ひと安心。ご入居後すぐに始められた家庭菜園も着々と拡大されているご様子です。
「冬、暖かい家」は、「夏は涼しい家」としても、うまく機能しているようです。